世界トップレベルの分析化学で
誰もが自分らしくいられる社会へ

PITTAN

汗で肌の状態を可視化する、世界最小の分析機器を開発中

「ニキビができて人に会いたくない」「肌の調子が悪く健康状態が不安」など、肌の状態が原因で憂鬱な気分になった経験は誰にでもあるのではないでしょうか。一般的に肌の健康は軽く扱われがちですが、一個人にとっては想像以上に深い悩みとなりえます。
日常生活をいきいきと自分らしく過ごすウェルビーイングを実現するうえで、大きな障害となる肌の問題。それを世界最高峰の分析化学を使って解決しようとするのが神戸発のディープテック・スタートアップ、PITTANです。
PITTANは、角田誠東京大学准教授が20年以上の歳月をかけて考案した分析手法をベースに、微量の汗を解析し、肌の状態を化学的に判断する世界最小の高速分析機器の開発に取り組んでいます。

小型化の技術×分析手法で日本の技術力を世界に

わずかな汗のみで肌の状態を解析可能にした角田准教授の分析手法に加えて、PITTANの大きな強みとなるのが分析装置を小型化する技術です(現在特許申請中)。
辻本和也CEOと児山浩崇CTO両氏が学生時代から一貫して取り組んできた装置小型化の技術開発の成果により、これまで研究室にしか置けなかった巨大な分析装置をオンサイトで使えるまでに小型化可能となる見込みです。
その結果、クリニックやドラッグストアの店舗、将来的には家庭内の小さなスペースにも配置可能となるため、多くの人が分析技術の恩恵を享受できるようになります。
日本は長年分析化学の分野において世界のトップを走り続けていますが、その事実はあまり知られていません。それは、分析化学の技術が主に研究室でのみ使われ、脚光を浴びる機会がほとんどないからです。
PITTANはその技術を外へひっぱり出し、これまで裏方であった分析化学を「民主化」させ、新たなビジネスモデルを創出します。そして、世界を再び日本の技術力で震撼させたいと考えています。

汗分析のサービス版からローンチ

PITTANはできるだけ早期に安定した収益基盤を築くため、前述したオンサイト分析装置の完成を前にサービス事業を開始します。それが、汗分析の結果をもとに肌の改善に必要な要素をユーザーにアドバイスするサブスクリプション型のヘルスケアサービスです。
サービスの利用方法は簡単です。まず、肌に直径3cmほどの小さなパッチを両頬に3分間貼り、ごく微量の汗を採取します。採取済みのパッチをPITTAN Lab.に送付すると、肌の健康状態を総合的に判断したスコアと、採り入れるべき栄養成分や生活習慣のアドバイスを専用アプリから確認できるという流れです。サブスクリプションサービスなので、アドバイスに沿った行動の効果を継続的に実感できるしくみにもなっています。

サービスフロー図とスコア確認画面

汗中のアミノ酸分析を利用したビジネスモデルは、これまで未開拓

実は汗の中には体調、年齢、性別によって変化するアミノ酸が多く含まれており、肌の状態を測るための情報が凝縮されています。加えて、汗は手などから簡単に採取できるため、血液などに比べて身体への負担が少なく、ユーザーが手軽に取り組みやすい利点もあります。
唾液や血液などを使った同様のビジネスモデルはすでにいくつかあるものの、汗中のアミノ酸分析を利用したビジネスモデルはこれまで未開拓で、こちらもPITTANが特許を申請しています。
5年後の上場をめざし、早くもグローバル市場へ展開
スタートアップながら、2期目にしてグローバル展開に向けて着々と動き出している点も見逃せません。残念ながら日本では未病や予防の意識がまだ低いレベルにあるため、まずは健康維持に対する意識の高い海外の高所得者層を確保し、早々に事業黒字化をめざします。現在はトライアル機を用いて一部サービスを限定的に展開し、サービスのブラッシュアップを図りつつ、2024年のシンガポールでのローンチ、その後のオーストラリア、アメリカでの立ち上げに向けて着々と準備を進めているところです。
綿密な事業計画と試算のもと、2027年までに70〜80億円の売り上げを見込んでおり、その時点で上場をめざせる段階に到達する予定です。これはディープテック・スタートアップとしては異例の早さと言えます。

2025年の大阪万博の出展候補企業となっているPITTAN。家庭でも使用可能なサイズに小型化したオンサイト分析装置のプロトタイプ、通称「ドリームマシン」を体験できる展示を予定しており、国内外からさらなる注目を集めることが期待されています。

代表取締役CEO 辻本 和也

京都大学でMEMS分野を研究し、修士・博士課程を修了。機器の小型化技術を社会実装するため、東京エレクトロン株式会社の研究部門に入社後、京都の半導体メーカーであるローム株式会社に転職。その後、大企業のもつ技術をより効率的に社会実装してイノベーションを創出したいと考えるようになり、コンサルファーム、VCを経て、2022年にスタートアップスタジオを友人と設立。そのパイロットプロジェクトとして自身がEIR(entrepreneur in residence)としてPITTANを創業。東京大学の角田誠氏の協力のもとにヘルスケア分野での事業化を進めている。

企業概要

名称
:株式会社PITTAN
役職 / 代表者氏名
:代表取締役CEO 辻本 和也
設立年月日
:2022年6月9日
所在地
:〒 657-0831 兵庫県神戸市灘区水道筋6丁目1−3 PITTAN Lab. Kobe
 〒 650-0047 兵庫県神戸市中央区港島南町6丁目3番7クリエイティブラボ神戸212号室
事業内容
:・極微量汗中生体分子分析により、人々の健康美に必要なコンディションを可視化するサービス提供
 ・世界最小の高速分析機器開発およびそれを利用したテーラーメイドヘルスケアソリューションの開発
企業ホームページ
https://pittan.life/

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