出口戦略から逆算
時代を先読みするAIビジネスの構築へ

RUTILEA

ビジネスをAIで加速

「AIを簡単に。」のミッションのもと、世界中の誰もがゼロコード(※)で手軽にAIを活用する未来を描くのが、京都発のスタートアップ「RUTILEA(ルテリア)」です。
時代の最先端をゆくAIテクノロジーを使いながらも、RUTILEAはより大きなニーズを見込める課題を解決するためにAIを利用します。マーケティング起点でのビジネスモデルを構築しているのが大きな特徴です。
「技術力の高さ」をアピールするのではなく、「収益性の高いビジネス」を徹底的に考え抜き、そこに進化し続けるAIを掛け合わせるビジョンに、国内はもちろん、サウジアラビアなど数多くのVCから注目が集まり、2023年8月までに累積で約9億円の資金を調達しています。

製造業の検査工程を大幅効率化

RUTILEAがまず着目したのは、慢性的なエンジニア不足が課題となっている日本国内の製造業です。製造業ではルーティン化された目視での検査作業が多く、ここにAIの得意分野である「大量の画像データ処理」を組み込むことで大幅な効率化を図ることができると考えました。
RUTILEAの認知を広めるのと同時に多数のユーザー企業からのフィードバックを得るため、2019年に同社が最初に行った施策が、外観検査のオープンソースソフトウェア「SDTest」の開発です。
工業製品に関わるプログラムをオープンソースとして公開するという業界では類を見ない試みが功を奏し、半年間で500社以上のダウンロードを達成。多くの企業や商社と繋がり販売路を拡大するのと同時に、製造現場の課題を反映させた製品のブラッシュアップに成功しました。

ゼロコードAIで、AIを簡単に。

RUTILEAがまず販売したのはプログラミング不要、ノーコードで検査を自動化する画像処理ソフト「ImagePro」(2021年販売開始)。そして動画を解析して作業分析や安全管理を行うシステム「REO」(2023年販売開始)です。
通常、AI画像処理プログラムの作成・導入には長期の開発期間が必要となるため、メーカー企業から敬遠される傾向にあります。それが、RUTILEAのノーコードAIを使えば現場の検査員が検査項目をドラッグ&ドロップで設定できるため、設定後はカメラに繋げれば導入日に稼働を開始させることが可能です。その後、同社が現在進めているのはAIのゼロコード化です。ゼロコードによりAI導入のリードタイムを更に短縮させることで、タイムロスおよび人的コストを大幅に削減できます。具体的には、現実のデータが不足している場合でも、生成AIを利用することで現実に近いデータを生成し、基盤モデルをその分野に対して事前に学習しておくことで要求精度に到達するために必要となるデータ数を減らすことができます。現時点では、AIを使う際の設定を視覚的に行えるゼロコード化に取り組んでいます。

「ImagePro」や「REO」をはじめとしたRUTILEAの製品は日本を代表する自動車メーカー、家電メーカーなど大手企業を含む多くのメーカーからその効率性が認められ、2023年9月末時点で累計取引実績は316件に達しました。
海外展開に向けても大きく動き出しています。2022年には産業用オートメーションおよびデジタルトランスフォーメーションのグローバルリーダーであるRockwell Automationと戦略的提携パートナーシップを締結。
2023年8月からは、タイのキングモンクット工科大学の所属機関、科学技術イノベーション政策研究所との共同プロジェクトを開始しました。同国の社会問題である銃犯罪を未然に防ぐため、動画から銃器を検出するAI技術の開発に取り組んでいます。

資本集約産業へのAI搭載をめざす

大量のデータ処理が可能なAI、そしてコピーが容易なソフトウェアの特性を最大限に活用できる分野は製造業に留まりません。
RUTILEAは製造業で築いた製品化のノウハウを活かし、公的セクターや全国規模のフランチャイズチェーンなど、全国・全世界で均一のサービスを提供する資本集約的産業全体に視野を広げての展開を計画しています。

将来的に当分野でRUTILEAの製品が採用されれば、一人ひとりを個別に認識してサービスを自動で提供することができるようになります。公的セクターであれば書類処理のミスを大幅に減らし、サービス産業では地域属性やトレンドの統計が不要になるなどマーケティングの概念を覆す可能性もあります。

京都発の世界的テック系スタートアップへ

UberやSlackのように世界的に認知されている日本発のテック系スタートアップはまだなく、矢野代表取締役社長は「RUTILEAがその座を狙いたい」と意気込みを語ります。
グローバル展開に向けて壮大なロードマップを歩むRUTILEA。製造業での体験を糧に、今後も高い収益が見込まれる課題に対し、AIを使うまでのプロセスを簡略化することで、世界中からアクセスできるサービスの開発をめざします。

(※)当社では、ソースコードの記述なし(コーディングせずに)開発ができるシステムであるノーコードに対して、大量の学習データを用いて事前に学習した基盤モデルを用いて開発をせずにすぐに使えるシステムをゼロコードと呼んでいます。

代表取締役社長 矢野 貴文

1990年生まれ、岡山県出身。京都大学 電気工学専攻 修士修了&博士後期課程退学。修士課程中にデータ統合技術の会社を友人と起業、博士課程中に売却し、グループのDX責任者として上場を経験。製造業の課題をAIで解決する新分野での世界トップを目指し2018年に創業。

企業概要

名称
:株式会社RUTILEA
役職 / 代表者氏名
:代表取締役社長 矢野 貴文
設立年月日
:2018年8月
所在地
:〒604-8006 京都府京都市中京区下丸屋町397番地 Y.J.Kビル 6階
事業内容
:AIを活用した自動化による生産性向上
企業ホームページ
https://rutilea.com

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